酵素の話 - 腸内細菌

腸内細菌

酵素は食物にも含まれますし、もちろん人が自ら体内でも作りますが、消化酵素を作ってくれるもう一つ大きなグループがあります。それは人の腸内に生息する腸内細菌です。腸内細菌は腸内におよそ100兆個(重さにして約1.5kg)も存在していると言われています。また非常に多種にわたり、大腸菌などは腸内細菌の代表のようなイメージがありますが、腸内細菌のたったの0.1%しか占めていません。多種多様な腸内細菌はそれぞれが細菌(さいきん)叢(そう)と呼ばれる腸内環境を作り出しています。細菌叢というのは細菌と細菌がお互いに干渉しあいながら共生し、複雑な腸内環境を作り出している事をいいます。細菌叢は人それぞれが持つ細菌により様々ですし、同じ人でも食べ物や体調などで刻々と変化するものです。

腸内細菌と酵素

腸内細菌は人と共生しています。共生とは互いが互いを必要とする関係です。腸内細菌は腸に流れてくる食べ物を代謝し栄養としており、その時に腸内細菌は腸内に酵素を放出したり食物を菌内の酵素で分解してくれたりと人の役に立つ事をしてくれます。腸内細菌と消化酵素は切っても切り離せない関係なのです。

共生の仕組み

腸内細菌は多種多様に存在していますので腸内でどのような仕組みで共生しているのかは詳しくは分かっていません。この仕組みが分からないと腸の中での出来事の大半は謎に包まれたままと言っていいでしょう。その謎はそのまま消化吸収の謎にもなります。


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